ロッキングチェア
サイズ:高さ109×幅55×奥行85cm
樹種:ホワイトオーク(なら)
オイル仕上げ
お父様にお使いいただくためのロッキングチェアを、ということでご注文いただきました。細かな打ち合わせをさせていただき、肘掛け部分の幅を広くして腕がある程度の範囲で動かせるように、不要な時には揺れを止められるような固定機能を、サイドには新聞・雑誌やペットボトルが入れられるラックをつけてほしい、など様々なこだわりを熱くご要望されました。
当工房としてはロッキングチェアを手掛けるのは初めてで、これは手強いなと感じたと同時に、職人魂に火が付きました。ロッキングチェアというのは、ご存じの通り心地よい揺れを感じながら、くつろぐための椅子です。ですから、いかに心地よい揺れを実現するか、また心地よいもたれ具合を出せるかが重要になってきます。
当然一回の製作で満足できるものに仕上げることは難しいです。何回も試作を重ね、ちょっとずつ設計変更を繰り返しながら仕上げていかざるを得ません。揺れ具合を左右する「そり」の部分も、ちょっとの違いで心地よさが変わってきます。今回は合計4回の試作を行い、やっと満足できるものになりました。
そりの部分はゆったりと揺れるようなカーブにしています。また、前脚と後脚のホゾがそりの部分にしっかりと差し込まれているので、ガタついたり壊れたりすることはまずありません。
背もたれと座面の傾斜も座り心地に大きく影響します。ロッキングチェアは、静置した状態と座った状態では傾きが違ってきますので、座った状態での傾斜角度が非常に重要になってきます。肘掛けの先端の裏側(握ったときに指がかかる部分)はくぼみをつけ握りやすくしています。背もたれはカーブをつけ背中を優しくホールドします。
今回はご要望により、ロッキングの揺れを止めるコマを取り付けました。必要がないときは取り外せる方式にしてデザイン性を失わない工夫をしています。
チェアの脇に取り付けられるサイドラックもご要望でした。落とし込むだけで左右どちらでも簡単に取り付けられます。
オプションでヘッドレストをお付けしました。このヘッドレストは浪速の名工の椅子張職人の森下さんにお願いしました。サイズやクッションの柔らかさなど最適なものを作っていただきました。
ロッキングチェアは探してもなかなかピッタリのものが見つからないもの。あなたのオリジナルのロッキングチェアをつくって、ゆったりとした時間を過ごしませんか?
実際にお客様宅で撮影していただいた写真が下記です。
<お客様の声>
なんといってもやさしい木の手触りが良いです。堅そうに見えるけど、
座ると柔らかく感じていつまでも座っていられます。
又、遠くから見て、作りに歪みがなくがっちり作ってありますね。
これからも、出来るだけ長く、長くお使いいただけることをお祈りしております。